開発秘話vol.10 革パッチ


ジーンズの世界観に合わせて
いろんな技法を試してきました。

アメリカテイストのシンプルな焼き印から
ヨーロッパテイストの技法へ。

 当初、ジーンズのヒップポケットの上にある革パッチは、発祥の地であるアメリカのテイストを反映し、ロゴの焼き押しや赤箔によるシンプルな技法のものがほとんどでした。その後、ヨーロッパのジーンズ人気に火が付いて、革パッチの表現もヨーロッパのジーンズに倣い、手が込んで多様なものが見られるようになりました。革を重ねて縫い付けたり、麻ひもでステッチを縫ったりと、立体的で凝った形状のものが増えていき、フクイも色々な表現にチャレンジすることになりました。中でもいろんなサイズの革をベースの革の上に手縫いで合わせる表現は手縫いで時間のかかる作業でしたが、後にはコンピューターミシンを導入し、効率化を図りました。この商材は採用いただき、大きな評価を得ることが出来ました。
 また、検針対応の小さなボールチェーンを海外に送り、透明な釣り糸で革パッチに縫い付けた商材は、コスト面で日本生産が不可能だったため、ブラジルでの挑戦となりました。

新しい機械や新しい技法を探りながら
ユニークな革パッチを開発しています。

 2009年に開催されたJapan Fashion Week in Tokyoではジャパン・ブルーというテーマのもと、藍染めの革に漆プリントを施したパッチを出品しました。藍染めされたジーンズに親和性が高く、表現としてもクオリティの高いもので、「こんなの見たことがない」という評判を得ることができました。「これ漆なんです」と来場者に説明すると「そういえば昔おばあちゃんが持ってた財布がこんな感じだったかも」と納得されていました。この藍染め+漆のラベルはその後ジーンズメーカーに採用されています。
 この他にも、革を50トンの圧力で押しつけ凸を強調する表現手法は、お客様からのリクエストのもと協力工場と打ち合わせを重ね、日本国内で可能にしたものです。また、水に濡れると縮むという革の特性を利用し、経年変化で表面がボロボロになったような風合を新品の革で再現する技法や、一見革に金属プレートを貼ったように見えるのですが検針器をパスする隆起プリントなど、フクイは常に新しい挑戦を続けています。