開発秘話vol.3 天使のネーム


まるで天使の羽根のような柔らかさを実現した
人にも地球にも優しいネームです。

直接肌に触れても痛くない
柔らかい織ネームつくりが課題でした。

織ネームは洋服の内側に付けられるため、直接肌に触れることがあります。小さな織ネームであっても子どもや敏感肌の人にとっては柔らかく優しい感触が好ましいでしょう。また、社会的には環境への配慮が行き届いた副資材が望まれており、人にも地球にも優しいネームの開発に着手することになりました。ネームのエッジ部分は柔らかな肌触りを実現するために加工法がいくつかありますが、ネーム総体としての肌触りは通常使われるポリエステルなどで製織しても、さほど柔らかくなりません。良い糸がないかと悩んでいたところ、製糸会社からある天然繊維を試してみたらどうかと奨められたのがきっかけとなり、年に2回開催しているフクイの大規模プレゼンに向け、究極の織ネーム開発に着手しました。

テンセル素材を用いて試作へ。
毛羽と綿埃との格闘の末に生まれたもの。

製糸会社がフクイに奨めたのはテンセルという糸でした。この糸はコアラが好むユーカリなどの木材パルプが原料で、溶剤で溶かしたパルプをフィルターで濾過した後に、不純物を取り除き紡糸します。天然繊維分子をそのまま活かしているため、廃棄されたとしても微生物の働きによって最終的には土に戻ります。また、溶剤も回収して再利用するので廃液は環境に放出されません。強度の面で優れていると言われていますが、長軸方向に裂けやすいといった弱点があるようです。試作の初期段階では毛羽がすごくてタテ糸が絡まり、なかなか織ることができませんでした。特殊加工で毛羽を抑えた糸を作ったり、別のテンセル糸を試してみたり、織工場の技術者が奮闘を重ね、やっと柔らかく優しい織ネームが完成しました。サンプルをアパレルメーカー様にご覧いただいたところ「素材感と雰囲気と柔らかさが素晴らしい」と好評で、正式に受注することができました。

採用いただけた苦心の作、
「天使のネーム」と名付けました。

フクイが誇るこの柔らかく環境負荷の少ない織ネームは「天使のネーム」と名付けられました。採用したアパレル企業様は通常、中国生産・中国デリバリーを主としていますが、わざわざ日本の工場で生産したものを取り付けたいと、採用して頂けたのです。フクイとしても感無量でした。  ただ、開発担当者は満足していません。「改善の余地が残っている。目指しているのは肌触りが柔らかくなめらかで、しかも扱いやすい究極のネームだ」と意気込みを新たにしています。