開発秘話vol.1 スーパーサテン


ブランドネームにどこまでこだわれるか。
日本に一台の織機で創る超高品質ネームの開発。

織ネームの持ち味を残しながら、
ブランドロゴの再現性も追求したい。

小さな織物である織ネームは、専用の織機を使って生産されます。近年では、レピア織機をはじめとする高速織機が主流となりつつありますが、織ネーム本来の持ち味を活かせるシャトル式の織機の活用も、今なお多くの工場で続けられています。織ネームの個性であるミミの形成が可能なシャトル織機を用いて、さらなる表現力に優れたネームを開発できないだろうか。このような挑戦に乗り出した当社に、福井県の織機メーカーから、とある織機を紹介されます。超高品質なネームを創り出す“当社の財産”・スーパーサテン。かけがえのない出逢いは、ここから始まりました。

職人による幾多もの改良が施され、
日本に一台という織機が誕生しました。

タテとヨコの糸を織り上げて作る織ネーム。中でもスーパーサテンは、超極細の糸を通常の2倍以上の高密度で打ち込んでいくため、非常に繊細でなめらかな風合いを表現することができます。「まるで気位の高い女性を相手にしているよう。わずかな加減で機嫌を損ねてしまうので、扱いには非常に気を遣います。だからこそ微笑みを返してもらえた時は最高の気分ですよ。」と織機の特徴を語るのは、生産者である織ネーム工場のF氏。当時業界でも珍しい特異な織機は、ミミ折れ、糸切れ、生地撚れ、静電気の発生など、さまざまな課題をもたらしました。その度に工場の技術者が一つひとつ改良を施し、工夫を凝らしながら進化をさせてきたのです。このように職人の知恵とノウハウが注ぎ込まれたオリジナル織機は、日本に一台を称する存在となりました。

期待以上の仕上がりに社内でも評判の声。
積極的な提案活動をスタート。

幾多もの課題を乗り越え完成した織ネームは、期待を超える仕上がりとなりました。“スーパーサテン”の名にふさわしい上質な光沢となめらかさ、漢字や細かい絵柄までをくっきりと表現する再現性、そして、織ネームの個性でもある両端の“ミミ”と立体感。スーパーサテンの魅力は社内でも評判となり、積極的な営業提案につながっていきます。さらに希少性の高いストーリーも手伝い、アパレルブランドからの注目も集め、ついに高級ネクタイブランドでの採用が決定します。2008年、今から7年前のことでした。

ネクタイブランドでの採用が皮切り。
そして高級ブランドご用達の商材へ。

「もともとネクタイはヨーロッパが本場。上質なヨーロッパ製に引けを取らないクオリティを出せるのは、スーパーサテンくらいでした。」そう説明するのは、当時営業を担当していた岩立。シルクのネクタイと合うサテンの風合い、小さなサイズの中でもくっきりとロゴを表現できる再現性、さらにネーム両端がやわらかく、ネクタイの剣先を傷つけずスムーズに通すことができたのも、採用の決め手となりました。その後、世界トップクラスのデニムメーカーとの取引もスタートし、スーパーサテンの魅力は徐々に業界に広まっていきます。「幅広いブランドと取引のある先方企業では、ファストファッションブランドからスーパーサテンを採用したいと要望があったそうですが、あえてお断りした、と伺っています」。と当時デニムメーカーを担当していた営業部長・森田は語ります。先方企業のブランディングの戦略上、希少価値の高いスーパーサテンの採用は、高級ブランドのみを対象にした方が効果的と判断されたそうです。もともと織ネームは、そのブランドであることを証明する、いわば“ブランドの顔”。それにふさわしい気品とクオリティを兼ね備えていることは、当然求められる要素でもあるのです。スーパーサテンは、そんな織ネーム本来の価値を、織ネーム工場を起源とする当社が誇りに懸けて証明した、努力と工夫の結晶とも言えるでしょう。